私たちの住む日田市は木々に囲まれた自然豊かな町です。三隈川のゆったりとした流れは心を穏やかに落ち着かせてくれます。しかし、そんな日田市にあっても、子どもたちは車で出かけないと自然と出会うことができなくなっています。そこで、本当に子どもたちに必要な環境を考えた時、必要なのは決まった遊びしかできない鉄製の整えられた遊具ではなく、築山や凸凹があり、花、草、木、土、砂、泥、水、光、陰、火、虫などのより豊かな自然に近い環境であると気づきました。園庭の環境や室内外の木製の遊具やロフトを、専門家の指導を受けながら職員が継続して作ることで、今目の前にいる子どもたちの発達にふさわしい環境を繰り広げることができ、やってみたいことが思いっきりやれる環境を作っていきたいと思います。鉄製の物は自分たちで作れませんが、自然物なら子どもたちの思いに近づけて作っていくことができます。先生たちの愛情がたくさん詰まった環境で毎日を過ごす子ども達は、四季の変化を肌で感じ取り、着る服や履物(裸足、下駄、靴、靴下)を選びながら、考える力、挑戦、躊躇、自己決定(するかしないか)、危機管理能力(行けそうだからもう少しやってみる、これ以上は危ないから、怖いから止める)、あきらめない力、体力、体幹などの身体能力も育ってきています。

 

※園庭改造前に設置していた既存の鉄製遊具は、年齢制限に満たない小さい子も階段やハシゴで登り降りができ、いつも落下などを心配しながら遊ばせていました。鉄製遊具でのケガは大きなけがになることが多かったのですが、この園庭になってからは、ケガの回数が減り種類が変わり、先生を頼りにせず子どもたち同士で遊べるようになり、たくましく成ってきました。